仕事でクレームを受けた時に一番大切なこと
「会社の仕事の中で苦手なことは?」と聞かれて、毎回トップに挙がるのがクレーム対応です。
それくらい苦手な人も多いでしょうし、何より受けてしまったら結構ショック…そんなクレームだからこそ対応する時に気を付けて欲しいことがあります。
それが「他人の責任であっても自分のことのように謝罪できるか」です。
会社でよくあるのが、自分はしっかり処理していたのに、Aさんの処理が漏れていてクレームが発生してしまう…というケースです。
クレームの電話を受けた時は、顧客から怒られたくない気持ちが勝ってしまい「私はきちんとしていた」ということを伝えたいかもしれません。
「誰が悪いか」より「現状をどう解決するか」が大切
しかし、こういったクレームでは「別担当の処理が漏れてまして…」と伝えてしまうと逆効果。
なぜなら、クレーム電話してきた顧客が求めているのは、「誰が悪いのか?」ではなく「解決策や代替案」だからです。
そのため、この状況で「別担当の処理が漏れてまして…」と伝えてると言い訳に聞こえてしまい、さらにヒートアップしてしまいます。
だったら、「弊社の手続きができておらず〇〇してしまい誠に申し訳ございません。」のように会社の代表として謝罪した方がクレームの早期解決に繋がります。
しかし、金銭的な損害や法的トラブル、会社同士の取引が関係しているような大きなクレームの場合は、絶対にこの対応をしてはいけません。
大きなクレームの場合は「会社として」対応しなければいけませんので、必ず上司へ報告し、対応指示をもらってから動くようにしましょう。
なので、あくまで「他人の責任であっても自分のことのように謝罪できるか」が大切なのは、担当者間で解決できるような些細なクレームが対象です。
仕事でクレームを受けた時の対応手順
当然のことですが、クレームを解決するためには謝罪や提案を承諾してもらい、顧客に納得してもらう必要があります。
しかし、どんなに丁寧な謝罪をしたとしても、また、素晴らしい解決先を提示していても、顧客の要求に応えれていなければ意味がありません。
むしろ、見当違いな回答をして余計に怒らせたり、事態を悪化させてしまうことがあります。
そうならないためには顧客の目的と要望を正確に把握し、迅速に対応しなければなりません。
わたしがおすすめの手順がこれです。
- まずはお詫び
- 次に事実を整理
- そして代替案を模索
- 最後に原因追及と解決防止策を考える
まずはお詫びを最優先に
クレームの初期対応では「如何に顧客の怒りを鎮め、冷静に話ができる状態にもっていくか」が大切です。
クレームを受けた場合、まず顧客の申告に対して事実確認をしたくなりますが、クレームがあったら真っ先に謝罪をしましょう。
これができるどうかで「顧客の温度感」が変わり、クレームの解決率が大きく変わります。
中には「顧客の勘違いかもしれないのに謝るの?」という声もあると思います。
でも、顧客の立場で少し考えてみてください。
- 「事実関係が分からないので、まずは確認してから~」と対応したケース
- 「ご不便をおかけし誠に申し訳ございません。状況を確認いたしますので詳細を教えてください」と対応したケース
この2つだとどちらの方が「イライラした気持ち」を抑えることができるでしょう。
どちらも「めちゃくちゃ良い対応」じゃないにしても、後者だとあまり違和感は感じませんよね?
逆に前者の場合だとなんだか言い訳がましく聞こえますし、なんだか「うちは悪くない」という風に感じて余計に腹が立ちそうです。
とても小さなことかもしれません。しかし、こういう些細な積み重ねがクレーム解決には必要です。
次は発生した事実を整理する
初期対応で温度感を抑えた後は、顧客からのクレーム内容を整理していきます。
これは「顧客にどんな迷惑がかかって、何に対して怒っているのか」を明確にするためです。
これらを明確にすることで、次のステップである代替案や再発防止策を考える材料になります。
おすすめの整理方法は「誰がいつ何処で何をした」を時系列で整理する方法です。
- 顧客:〇月〇日申し込み
- 当社:〇月〇日書類発送
- 顧客:〇月〇日書類返送
- 当社:〇月〇日~~
- 当社:〇月〇日~~で漏れ発覚
- :〇月〇日クレーム受理
これにより原因が特定でき、さらに顧客が「何を求めているか」が分かりやすくなります。
そして代替え案があるか模索する
顧客が何を求めているか分かったら、それが「解決できるのか、別の策で代替えするか」を考えます。
理想は顧客の要望通りの返答をすることですが、要望通りの対応では会社に不利益が発生するため要望を応えれない場合があります。
その場合は顧客が求めている真意を捉えつつ、会社の不利益にはならないような「代替え案」を考えなくてはいけません。
例えば、顧客は「商品の追加発送」を要求しているが、会社として受理できないので「新商品のお試しセット」で代替えができないか?と検討したり…
顧客の温度感と要望によって正解が変わるので難しい部分ではありますが、「顧客が求めてること」を正確に理解して、それに沿った内容であれば大抵はOKが貰えます。
最後に原因追及と再発防止策を考える
そして、最後に必要なのが「もうこんなことを起こさないために会社としてこういう対応をします」というやつです。
これを伝えることによって、ただ謝ればいいと考えているんではなく、「会社として失敗を深く反省している」というアピールにもなります。
こうすることで、クレームによる顧客の離脱を防げたり、その後の取引を有効な関係に保つことができます。
再発防止策を伝えるときは「暫定対策」と「恒久対策」を提示します。
暫定対策は「いったんこういう体制を整えて再発を防ぎます」というもので、恒久対策は「漏れが起きない仕組みを作って再発を防ぎます」というもの。