普通に「仕事が多い」と相談しても上司は動かせない
仕事量の悩みに関して、ネットの記事を見てると「上司に相談しましょう」と書いてるのを多く見かけます。
たしかに正しい判断だと思います。
部下の仕事を把握してマネジメントするのが上司の仕事なので、決して間違ってるわけではありません。
でも、あなたが相手にするのは「これまで仕事量の偏りを放置してきた上司」です。部下から相談されたとしても簡単に変わると思えません。
というか、むしろ相談するだけ「無駄」になるケースが多いです。
でーくん
では、どうして無駄になるケースが多いと思うか。
理由は簡単、上司は部下を使ってチーム成果を最大化するのが仕事なので、優秀な人材に仕事が集中するからです。
ほとんどの上司は、チームの成果を上げるために高度な仕事が必要なら、その仕事が対応できる人に依頼しています。
優秀だから期待してる、と言われてしまう
上司はそれでいいかもしれません。
でも部下からすると、そんな状態は「なんで私ばっかり…〇〇さんにも仕事振ってよ」と思うことでしょう。
わたし自身もずっと思っていました。
ネットでは「こういう状況は上司へ相談するすべき」と書いてありますが、きっとこう返されます。
「〇〇さんは優秀なんだから頑張ってよ、期待してるからさ」
でーくん
だって、本来なら、あなただけでなく他の人でも対応できるような教育をしなければいけません。
しかし、多忙な上司からすると、別の人を教育するよりも「あなた」に依頼した方が手っ取り早い。
なので、普通に相談しても「なんとか頑張ってよ」で終わらされてしまう。
こうなってしまうと、どうしようもない…そう思うかもしれません。
でも諦めちゃダメです!
実は上司への相談の仕方次第で改善してもらえる可能性があります。
仕事量の相談をして上司を動かす方法
上司を動かしたいときに一番有効なのが「数字を使った根拠」を示すことです。
数字と言えば営業成績を思い浮かべるかもしれませんが、「数字を使った根拠作戦」は営業だけではなく事務職のような「管理部門」でも同じことが言えます。
それは、上司の上司にあたる人たち…社長や執行役員といった「経営者」の立場で考えると理解しやすいでしょう。
これまで実行してきた施策や今の現状を把握するのに一番効率がよく、また担当者の主観が介入しにくいのが数字だからです。
そのため、会社という組織の中で圧倒的な力を持っているのが「数字」であり、数字で根拠を示すことで大抵のことは有利に進めることができます。
では、どうやって仕事量を数字化し、上司を納得させ仕事量を解決するか。
ポイントは2つあります。
- 今の仕事を棚卸しして見える化する
- 改善提案したうえで相談する
今の仕事を棚卸しして見える化する
大抵の場合、上司は部下が抱えている仕事を把握していないので、まずは現状を改善してもらう資料を用意しましょう。
そこで試して欲しいのが「仕事の見える化」です。
これは現状を把握してもらうだけではなく、仕事量の問題点を的確に伝えることができます。
見える化の項目は次の3つをまとめてください。
- 業務名称
- 所要時間
- 発生頻度
イメージはこんな感じで。
業務名称 | 所要時間 | 発生頻度 |
---|---|---|
会議資料作成 | 1時間 | 日次 |
契約書作成 | 3時間 | 日次 |
集計作業 | 1時間 | 日次 |
この時に大切なのが、どんな些細な業務であってもまとめることです。
一日15分しか使わない業務だとしても、1週間で75分、1ヶ月で5時間も使っています。
1ヶ月の労働時間は140時間(7時間×20日)ということを考えると、たった15分の作業だとしてもかなりの時間を使っているのが分かると思います。
「たった〇分だから…」という積み重ねが仕事量の増加に繋がっていくので、小さく見える仕事でも漏れがないようにまとめていきましょう。
改善提案をしたうえで相談する
いよいよ上司に提案・相談する時がきました…まずは上司への見せ方を考えていきましょう。
上司に見せて欲しいのが「所要時間」です。
見える化して判明した「あなたが抱えてる仕事をこなすために必要な時間」と、1か月あたりの労働時間を比較することで、適切な業務量かどうかが分かります。
計算イメージはこんな感じ。(労働時間を8時間として計算)
- 昼休憩が1時間なら一日あたりの実労働時間は7時間
- 1ヶ月の労働時間は140時間となる
- 対して、今の仕事に必要な時間が160時間とする
- これは1人の労働時間では対応できない業務量
- 1人でこなすなら20時間の残業が必須
抽象的だった仕事量を数字を使って具体化することで、上司は動かざるを得ない状況になります。
で、こうなった時に上司が取るであろう行動は2つ
- もっと効率よくやればいいじゃん
- なんとか頑張ってよ
前者の返答が返ってくることを想定して、システム化や自動化を事前に検討しておきます。
「これまで〇〇という流れで集計していましたが、△△をシステム化し集計部分を自動化することで10時間/月の効率化ができます」
でもこういった話をすると「今の仕事量はそのままこなして、システム化も考えてね」となるのがオチです。
なので、予めシステム課に事前にヒアリングしてシステム導入にかかる費用や時間を調べておきましょう。
そうすることで「今の仕事量のまま~」に対して「システム化には〇人月かかるので、今の仕事量ではシステム化プロジェクトは進めれません」という返答もできそうです。
上司がどうでるか?何を突っ込まれそうか?を事前に考えて対応できるような準備をしておくと、難しいように思えた仕事量の解決も現実となります。
仕事量の相談をしても動いてくれないなら転職を考えよう
もしここまで情報を揃えて理論的に「仕事量が多くて無理」と伝えても、上司が何も動いてくれないなら転職が考えていいです。
マネジメントする立場である上司が部下の現状を聞いて、解決できるように行動を起こせないならマネージャーとして失格。
そんな上司の元で働き続けるとあなた自身に影響が出てくるかもしれませんし、そんな上司が引っ張るチームに居続けても成長はできないでしょう。